あしすと訪問リハビリ鍼灸マッサージ院

認知症を早期発見するためのサインとは?

認知症の早期発見は、その後の対応や進行を遅らせるために非常に重要です。
しかし、認知症の初期症状は、日常生活の中で見逃されやすく、年齢に伴う変化と誤解されることもあります。
ここでは、認知症を早期に見つけるためのいくつかのサインを挙げ、その具体的な特徴や対応方法について考えていきます。

 

1. 郵便物や請求書の管理ができない


認知症の初期症状として、日常の事務処理や支払いの管理が難しくなることが挙げられます。たとえば、郵便物が開封されずに溜まっていたり、請求書の支払いが遅れたりすることがあります。これは、記憶力の低下や注意力の散漫さが原因で、以前は問題なく行っていたタスクが難しくなることを示しています。

例: ある日、訪問者が長期間未開封の郵便物や請求書を発見し、話を聞くと、本人はその存在すら覚えていないという状況です。支払いの遅れが続く場合は、家族や友人が注意深く見守ることが必要です。

 

2. お金や貴重品の紛失


お金や貴重品をよく紛失するようになるのも、認知症の初期症状の一つです。以前はきちんと管理していた財布やカギを頻繁に見失い、その結果、物が盗まれたと誤解することもあります。このような状況は、本人だけでなく、家族や周囲の人々にもストレスをもたらします。

例: 家の中で同じ場所に置いたはずのものが見つからず、数時間後や数日後に予期しない場所から出てくることがあります。これが頻繁に起こる場合は、早めに専門医の診断を受けることが推奨されます。

 

3. 会話の中で同じ話を繰り返す


認知症の初期段階では、短期記憶が影響を受けやすくなります。そのため、数分前にした話を忘れ、何度も同じ質問を繰り返すことがあります。このような症状が見られる場合は、本人が何か異常を感じているかもしれません。無意識のうちに同じ会話を繰り返すことが増えたら、注意が必要です。

例: 家族や友人との会話の中で、「さっきも言ったけど…」というフレーズが頻繁に登場するようになった場合、それが短期記憶の問題の兆候である可能性があります。

 

4. 身の回りの整理整頓ができなくなる


以前はきちんと整理整頓されていた部屋が、次第に乱雑になり、物が散らかることが増える場合も、認知症のサインです。掃除や片付けをする意欲や能力が低下し、混乱した状態を見過ごすことが多くなります。このような状況は、本人のストレスや不安感を引き起こすことがあり、生活の質を低下させる原因となります。

例: 部屋の片付けが滞り、物が積み重なったり、家全体が汚れている状態が続いたりすることがあります。本人はそれを問題視していないか、あるいは自分ではどうして良いか分からなくなっていることが多いです。

 

5. 時間や場所の感覚を失う


認知症のもう一つの典型的な初期症状は、時間や場所の感覚があいまいになることです。日常的なスケジュールが守れなくなったり、よく知っているはずの場所で迷子になったりすることがあります。これに伴い、不安や恐怖感が増すことも少なくありません。

例: 毎日行っていた買い物の途中で道を忘れてしまい、自宅に戻るのに苦労することがあります。また、カレンダーを見ても曜日や日付が分からなくなることが増えてきた場合も、早期の兆候と言えるでしょう。

 

6. 食べ物の好みや食事の仕方の変化


認知症の初期段階では、食べ物の好みが急に変わったり、食事の仕方に異常が見られることがあります。たとえば、以前は嫌いだった食べ物を突然好むようになったり、同じものばかり食べたがることがあります。また、食べる量が極端に減ったり、逆に過食傾向になることもあります。

例: いつもはバランスの良い食事をしていたのに、急に甘いものばかりを食べたがったり、食事を取らない日が増えたりすることがあります。これは味覚の変化や食欲の調整が難しくなっているサインです。

 

7. 意欲の低下と社会的な孤立


認知症の初期には、以前は楽しんでいた活動に対する興味が失われ、意欲が低下することがよく見られます。また、社会的な交流を避け、孤立しがちになることもあります。これにより、うつ状態や他の精神的な問題が併発するリスクが高まります。

例: 趣味やクラブ活動への参加が減り、家に引きこもる時間が増えることがあります。また、家族や友人との連絡を怠るようになり、孤独感が強まることもあります。

 

8. 着替えや身だしなみの乱れ


認知症の早期段階では、毎日の身だしなみや着替えに気を配らなくなることがあります。以前は清潔感を保っていた人が、突然だらしない格好をするようになったり、同じ服を何日も続けて着ることがあります。これは、日常生活のルーチンを維持することが難しくなっている証拠です。

例: 季節に合わない服装をしていることが増えたり、髪をとかさない、顔を洗わないといったことが目立つようになることがあります。

 

認知症のサインを見逃さないために
これらのサインがいくつか同時に現れた場合、家族や周囲の人は慎重に対応する必要があります。
まずは、本人と穏やかに話をし、どのような変化を感じているのかを聞いてみることが重要です。
その上で、専門医に相談し、必要であれば診断を受けることで、早期発見と適切な治療が可能となります。
また、家族や友人が認知症のサインに気づくことで、本人が日常生活を続けながらもサポートを受けやすくなり、進行を遅らせることができます。