あしすと訪問リハビリ鍼灸マッサージ院

認知症患者様が向き合っていく上で有効な訪問マッサージ(医療マッサージ)のメリットとは?

認知症は、進行性の脳の疾患であり、主に記憶障害、判断力の低下、感情の変化、身体機能の衰えなど、さまざまな症状が見られます。
認知症の患者様が自立した生活を続けるためには、適切な医療ケアと介護が必要ですが、その中でも特に注目すべきなのが「医療マッサージ」です。
訪問マッサージは、患者様が自宅にいながら受けられるため、生活環境を変えずに療養できるという大きな利点があります。
認知症の方にとって、医療としてのマッサージが慰安を超えた治療的な効果をもたらす理由について詳しく解説します。
また、介護を行う家族や介護者も心身の健康を保つことが求められており、彼らにとってもマッサージが有効な支援となることについて触れていきます。

 

1. 認知症患者様に対する医療マッサージの効果

まず、認知症患者様が訪問マッサージを受けることで得られる主なメリットについて考えてみましょう。医療マッサージは、単にリラクゼーションを提供するだけでなく、身体機能の維持・改善を目指し、認知症の進行を少しでも遅らせる可能性があります。

(1) 身体機能の維持と向上
認知症患者様の中には、身体機能の低下により、歩行が困難になったり、日常生活動作(ADL)が制限される方が多くいます。このような身体機能の低下が進むと、介護が必要となる場面が増え、患者様のQOL(生活の質)が大きく低下してしまいます。

訪問マッサージでは、筋肉の緊張を和らげ、血流を促進することで、筋力低下や関節の硬直を防ぎます。これにより、歩行や立ち座りなどの日常的な動作がスムーズに行えるようになる可能性があります。また、定期的にマッサージを受けることで、患者様の身体に負担をかけずに柔軟性を保ち、転倒や怪我のリスクも軽減されることが期待されます。

(2) 痛みや不快感の軽減
認知症の患者様は、痛みや不快感をうまく伝えることが難しく、適切なケアを受けられないことがよくあります。しかし、痛みがあるとそれが原因で行動が制限され、認知症の進行に悪影響を与える可能性があります。特に腰痛や関節痛、筋肉のこわばりは、長時間同じ姿勢で過ごすことが多い高齢者にとって、一般的な問題です。

訪問マッサージは、そうした痛みやこわばりを緩和する手段として非常に有効です。痛みが軽減されることで、患者様はより自由に体を動かすことができ、生活の中でのストレスも減少します。結果として、身体的な苦痛から解放され、精神的な安定にもつながる可能性があります。

(3) 自律神経の安定化とストレス軽減
認知症患者様は、環境の変化に対して敏感で、日々の生活で感じるストレスや不安が増大しやすい傾向にあります。また、ストレスが過剰になると、身体の自律神経が乱れ、睡眠障害や消化不良といった身体的不調も引き起こされることがあります。

医療マッサージは、これらの問題に対しても効果を発揮します。マッサージを通じてリラックス効果を得ることで、自律神経のバランスが整い、心身ともに安定した状態を保つことが可能となります。特に、夜間の不安感や不眠に悩む患者様にとって、マッサージによるリラクゼーションは非常に有効な手段です。安定した睡眠を得ることで、日中の活動性が向上し、日常生活の質も向上します。

 

2. 認知機能の維持・向上


マッサージが認知症患者様にとって有効なのは、身体機能だけでなく、認知機能の維持・向上にも役立つ点です。

(1) 血行促進と脳への影響
医療マッサージによって血流が促進されることで、脳への酸素供給や栄養が向上します。これにより、脳の活性化が期待され、認知機能の低下を遅らせることができる可能性があります。特に認知症の初期段階においては、脳の働きをできるだけ維持することが重要であり、定期的なマッサージがその一助となることが考えられます。

(2) 感覚刺激による脳の活性化
認知症患者様は、感覚の鈍化や、外部からの刺激に対する反応が低下しがちです。しかし、マッサージによって皮膚や筋肉への刺激が加わることで、触覚や感覚神経が活性化され、脳に良い影響を与えることが知られています。このような感覚刺激は、患者様にとって心地よい体験であると同時に、脳の働きを活性化させる役割も果たします。

(3) コミュニケーションと情緒の安定
訪問マッサージは、ただ体をほぐすだけではなく、施術者とのコミュニケーションを通じて、患者様が社会とのつながりを感じることができる重要な時間でもあります。認知症の進行によって孤立感を感じやすくなる患者様にとって、施術者との対話は、日常生活の中での貴重なコミュニケーションの場となります。
このコミュニケーションを通じて、患者様の精神的な安定が図られるだけでなく、感情の表出や自己表現の機会も提供されます。施術中のリラックスした状態での会話は、患者様の不安感を和らげ、情緒の安定につながるでしょう。

 

3. 家族や介護者にとっての医療マッサージのメリット


認知症患者様の介護は、家族や介護者にとって非常に大きな負担となることがあります。特に、認知症の進行に伴い、介護者は精神的にも身体的にも疲弊してしまうことが多くあります。こうした状況において、介護者自身の健康管理やケアが重要であり、マッサージはそのサポートとなる有効な手段です。

(1) 介護による疲労やストレスの緩和
長時間にわたる介護は、身体に大きな負担をかけます。特に、患者様の身体を支える必要がある場合や、介護作業が物理的にハードな場合には、腰痛や肩こり、筋肉疲労が生じやすくなります。家族や介護者がこうした身体的な不調を抱えたままでは、適切なケアを提供することが難しくなるため、自己ケアが不可欠です。

訪問マッサージを受けることで、介護者自身の疲れを癒し、リフレッシュすることができます。身体の疲労を和らげることで、日々の介護を続けていくための体力を維持でき、患者様へのサポートがより円滑になります。

(2) 精神的なリラクゼーションとストレス解消
介護は、身体的な負担だけでなく、精神的なストレスも大きな課題です。認知症患者様のケアには、日常の些細なことから大きな決断まで、多くの精神的な負担がかかります。そのため、介護者がリラックスし、ストレスを解消できる時間を持つことが大切です。

 

医療マッサージは、心身をリフレッシュさせるだけでなく、ストレスホルモンを減少させ、リラクゼーション効果をもたらします。